De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli

インターネットの法と慣習

ここは、Hotwired Japanに2003年5月から、2006年3月まで連載したものを 集めたページです。
この連載を加筆整理したものとして、『インターネットの法と慣習 ── かなり奇妙な法学入門』ソフトバンク新書が出版されました。

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[第1回] そろそろ真面目に「法」について考えよう, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年5月20日
    ついに連載を始めてしまいました。はたして原稿を落とさずにちゃんと続けられるのでしょうか。だんだんと忙しくなってきた5月の末になってちょっと心配しておりますです。あと、読者からの反応が無かったりすると、次回以降困ったことに。
[第2回] 匿名発言について, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年6月24日
    懸念どおりというか、あまり事例が集まってきません(泣)。でも、待ちます。きっと、きっと少しずつでもネタを送ってくれる人が増えるんだと信じてます... しかし、連載ってやっぱり心理的圧迫感がありますね。HotWiredはオンライン・マガジンなのでその圧迫感は比較的緩いのですが、これが紙媒体だったりしたら、毎月胃が痛くなりそう。
[第3回] 自力救済と紛争解決, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年7月23日
    梅雨が明けないどころか、ますます6月っぽくなり、さっぱり暑くならない異常な夏の今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は、突然ブッ壊れたシステムの回復と、さらなるバックアップ体制の強化と、400通もあることに気が付いて気が遠くなったレポートの採点に追われています。まさに自力救済と紛争解決の日々。
[第4回] 名誉と自力救済、そして法, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年8月26日
    冷夏だ冷夏だと思っていたら、8月23-25日は地獄のような暑さ! 照りつける灼熱の太陽! これが平年並みという話もあるけど、こういう天気が一ヶ月以上続くなかで我々は生活していたのか!と改めて思うほどの暑さ。ああ、冷夏でよかったなぁ、とつくづく思う26日の曇った朝でした。人間って身勝手ですね。
[第5回] 知的財産権制度と封建制について, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年9月30日
    さあ! 今度こそ切羽詰まった。締め切り三連発の最後となったHotWiredの連載記事。自分の計画の甘さを恨みながら なんとか書き上げましたが、やっぱり論述の流れが円滑じゃない。本当に連載というのは大変なんだなぁとつくづく思う9月の末。

    週間マンガ誌に連載している漫画家さんって、本当にスゴいんだなぁ、と尊敬の念がますます高まりました。

    [関連文献] 弁護士の牧野二郎さん、ご存知 山形浩生さん、日文研の山田奨治さんが関係した、音楽著作権に関する論考が、UFJ総研から公開されています。とてもよい論文集となっているので、ぜひぜひ読んでみてください。この論文集について、白田は関与しておりません。

    UFJ総合研究所 芸術・文化政策センター, 音楽遺産: インターネット音楽配信の未来 in Arts Policy & Management, No. 20, 2003.

[第6回] 権威と典礼, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年10月28日
    相変わらず某出版社からの原稿に呻吟しております。10月末日〆切なんですけど、こりゃ間に合いません。文化祭シーズンが近づいて、少しだけ大学の講義負担が軽くなってるんでこのあたりで何とかしないと本当にマズい。こういうとき、ドラえもんの道具のいくつかを使えばいろいろと助かるのになぁ、と思うわけです。あ、なるほど 藤子F不二雄先生もこんな気分で時間を操作する道具のアイデアを出していたのか。

    この間、「伝播投資通貨PICSY」というものの研究会に参加してみました。このアイデア、単にプログラミングの話ではありません。理科系の人たちからの社会学的問題へのアプローチ。文科系が難解な概念をコネ回しているスキにまったく違う次元で取り組みが始まってます。いつか私からも「勝手につける解説」を書きたいと思います。が、いつになるやら。

[第7回] 茶会実況中継, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年12月23日
    相変わらず某出版社からの原稿に苦戦しております。12月末日〆切なんですけど、これに何とか間に合うかどうか。あと、いろんな意味での年末進行も作業を遅らせてくれます。今回は、「法と慣習」に投稿してくださった読者の皆さんへのお返事の回。これでとりあえず一年の締めくくり。みなさま良い年をお迎えくださいませ。
[第8回] 政治的であることについて, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年2月3日
    トップページに記事の告知を書くたびに、「毎回、言い訳やら、愚痴やら、泣き言やら、そういう事を書いてる」と家人から指摘されたので、反省。
    今回は、連載の趣旨からズレてるとは思ったけど、思いついたことがあったので上記のテーマを選びました。で、もう一回あるんです。政治学とかちゃんとやってる人からみたら幼稚な話ばかりだろうと思うけど、よく知らないもので...ごめんね。
[第9回] メンドウな事態とポリシー・ロンダリング, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年3月2日
    前回の続き。なんかだんだんと連載当初の趣旨から方向が脱線しつつありますが、まあ、いいや。「ポリシー・ロンダリング」っていう言葉は、山根さんから聞いた言葉です。あるていど普及させたいな。山根さんは本当に立派で優秀な人なのに、ご苦労されてて... 。応援してます。頑張ってください。
[第10回] 法律の重みについて I, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年3月30日
    連載当初の趣旨からの脱線については開き直って、法的な話をする場合の前提知識の紹介を。ほんとはこういう話については一般教養としてみんな知っててほしいことなんですけど、難しいでしょうね。... 逆に、コンピュータやプログラミングに携わる人たちが 一般教養としてみんなに知っててほしいことって何なんだろう? そのあたりも hideaki@hotwired.co.jp に投稿してもらえるとありがたいな。
[第11回] 法律の重みについて II, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年5月24日
    「トップページを更新したしと思えど、手打ちタグではメンドクサし、じっと手を見る」
    えー、いまさらBlogへの移行なんてことする気力もない私です。輸入権問題やら、office氏事件やら、47氏事件やら、たぶんまたそれらに類する事件やらが起こって、それでネットには悪いやつらがいるんだぁ、とかなってサイバー犯罪条約に対応した刑法改正がスッキリ通って、それでまた事件が増えて、という連鎖が起きそうな中で、なんだかいろいろと考えなければいけなくて、サバティカルの目的である教科書を書くという仕事が進まないんですが_| ̄|○ 何か?

[第12回] タコを育てて、ブタを木に登らせる話, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年6月29日
    ここのところ立て続けて公表原稿(のようなもの)のリリースが続いております。予定ではあと二つほどあるんです。なんだか忙しいと思っていたら、こうしてコマゴマとアチコチに書いていたんですねぇ。今回は、「法と慣習」のうち「慣習」だけしか関係しないネタになった。私の知り合いの人たちが粘着君に捕まったり、罵倒されたり、互いにケンカしてたりすることが多かったので書いてみました。

[第13回] 法と政治の基盤について, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年8月31日
    台風一過の8月末日、毎度お馴染みの「法と慣習」がアップされました。今回はネタが観念的なんであまり面白く読んでもらえないかも。あと、すぐ下の FREE ANNOTATION。公開した時期がよくなかったか、あまりアクセスが増えてません。やっぱり○○○○マン II とか、○○○マン リターンズ とか、○○○○クス リボリューションとか、二番煎じはイマイチなんでしょうねぇ。
[第14回] いただいた投稿へのフォロー I, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年9月29日
    すこしは涼しくなったけど、相変わらず湿度が高くて辛い日々を送っております。今回はいただいた投稿へのフォロー。より以前に頂いたものから順番にコメントをつけていこうとしていたわけですが、途中でテーマが揃った感じになったので、ここで一区切り。

    [2004/9/30 追加] 文中で触れている kagami さんからコメントがきてる。いろいろとご教示ありがとうございます。で、私が矛盾しているんじゃないか...とされている点ですが、たぶん私のいう「エリート」とkagamiさんのいう「エリート」の範囲が異なるんじゃないかと思うのです。

    私の言うエリートはかなり広い。それに比較すれば kagamiさんの言うエリートはかなり狭いと思う。政治や法という現実的な場面を想定している私にとっては、「最高の知性と理性」といっても、私なりの世間観から見た高度な層を想定しているわけですが、哲学をとても重視している kagami さんは、もっともっと先端的な層を想定しているのだと思う。

[第15回] プライバシーに関する私論 I, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年11月1日
    いよいよ、追い込みの時期にはいったこの頃。茶会のメンバーも修士論文、博士論文に苦しんでいます。私も原稿書きに苦しんでます。

    文中で言及している新保 史生『プライバシーの権利の生成と展開』という本。しばらく幻の本状態で、入手困難だったのですが、再版されています! プライバシーについてキチンと知りたい人にとくにお勧めします。

[第16回] プライバシーに関する私論 II, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年12月7日
    何かと忙しいこの頃。原稿書きに苦しんでいる割にはちっとも進みません。結局、クリスマスが過ぎないと雑用が終わらないような気分になってきました。
[第17回] ラジカルな保守という態度について I, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年2月1日
    もうだめぽ... 全ての仕事がタイムアウト中。 風邪をひいているので果てしなくネガな気分...
[第18回] ラジカルな保守という態度について II, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年3月15日
    前回につづいて情報時代における大きな枠組みの話。 あと一回やります。 ised@glocom での講演とカブった内容なので、両方を読んでもらいたいな。
[第19回] ラジカルな保守という態度について III, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年4月12日
    ようやくこのシリーズもひと段落。次のネタはネット人格ネタにしようかと思っていたけど、なんだか身辺でコンテンツやら著作物の流通に関する話がいろいろと出てきているので、その間連の話をすることになるかも。
[第20回] 意思主義とネット人格・キャラ選択時代について, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年6月7日
    人格の分裂とか、多重人格の時代とか言われているけど、ペルソナの使い分けは昔からあった。でも、現在のキャラクター選択では、これまでと違った要素がある。そういうことに関して考えて、それが法の基礎部分に与える影響について考えてみた。
[第21回] 刑事分野について考えてみる I, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年7月20日
    いよいよネタ切れで、刑事分野について考えてみることにした。で、その前フリとして刑事法について考えるときの大原則について説明することにした。ウソを書いてないかと心配だけど、いまのところツッこみは来てない。なんかありましたらご指摘よろしくお願いします。
[第22回] 刑事分野について考えてみる II, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年8月30日
    ネタの夏枯れ、第二段。今年の夏はなんだか生産性が悪い。コマゴマと用事が入っているせいだろうか。困ったなぁ。
[第23回] 刑事分野について考えてみる III, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年10月4日
    下の『ハッカー宣言』の誤解説を発表したら、アクセス数が普段の3倍になった。妙に人気があるテキストだな。そういうアクセスに勢いのある時にようやく出ました「刑事分野について考えてみる」の第三弾。さっそく次のネタを考えなければいけないんだが、新学期でこれまた妙に忙しい。そういうときに限って原稿依頼も来るもんだから、またまた忙しくなる。困ったもんだ。
[第24回] 著作権保護期間延長を擁護してみる, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年11月29日
[第25回] やっぱり著作権保護期間延長を批判する, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2006年1月11日
    2006年の一発目は、著作権保護期間延長に関する話の続き。
    私は、保護期間延長なんて愚かだなぁと思うわけですけど、権利者の皆さんの幸せに繋がるのなら、保護期間をどんどん延長してしまっても構わないと思います。私は、あちこちで過激な提案だの妄言だ言いまくってますけど、知財・メディア業界の皆さんの生活が重要であることもわかってますから、私の提案が否定されても構わないと思います。
    それで、皆さんがうまくやっていけるなら、それでいいと思います。ただ、私にはうまくいきそうに思えないだけ。それだけ。
[第26回] 法律とプログラミング, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2006年2月28日
    そろそろネタが尽きてきて、私が学者カケダシのころ考えたことを蒸し返してみた。
    江戸の社会に住んでいた人たちにとって、明治政府のやることなすことすべてが「とんでもねえ」ほど「べらぼう で どえれえこと」だったにちがいない。だって、新政府が持ち込んできた制度は、それまで誰も見たことも聞いたこともないものばかりだったんだよ。だから、情報時代に維新を起こすなら、現実界の人たちにとって「ありえない」ほど「ハイパーでサイバー」でなければダメなんだと思う。
[最終回] 現実2.0, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2006年3月28日
    いよいよ最終回。ネタ切れもここに極まれり。
    しかたがないので、これから新しい学校に上がる諸君への、私からの毒のある「贈る言葉」。君達がこれから経験するだろうナンセンスな仮想現実に耐えて、自分が何をするためにここにいるのか、何を成し遂げるためにここに来たのか、を考え実行にうつしてくれることを心から期待している。
    所詮、現実もまた「思い込み」。イヤなことがあってもキニシナイ(゚ ε ゚)!!

to Hideaki's Home 白田 秀彰 (Shirata Hideaki)
法政大学 社会学部 助教授
(Assistant Professor of Hosei Univ. Faculty of Social Sciences)
法政大学 多摩キャンパス 社会学部棟 917号室 (内線 2450)
e-mail: shirata1992@mercury.ne.jp