こんもりした鳥ラグビーとは? / ゲームに用いる道具類 / こんもりした鳥ラグビーの概要 / 基本のプレイ / 反則

こんもりした鳥ラグビー 第二回日本大会

第二回 日本大会 開会式

2011年10月30日、国立陸上競技場にて、栄えある「こんもりした鳥ラグビー 第二回 日本大会」 が開催された。台風の接近で気をもんだ2010年第一回大会と同様に、第二回大会の当日は、前日まで快晴だったにもかかわらず、気温が低く小雨が予想される天気となった。FBFA JAPANの理事であるシラタ選手が、「強力な曇〜雨男であることがよくないのではないか」との関係者の談話すら出るほどだった。こうして昨年に続き、イングランドの秋を思わせる曇天の下、開会式が行われた。

第二回大会開会式では、日本支部の理事の一人であるシラタ選手により開会が宣言され、またロンドンの英国本部からの第二回日本大会開催を祝うメッセージが読み上げられた。また、第一回大会後に日本支部からグラフハムに技術習得派遣されたタナカ・ヒデタカ選手による、英国での競技状況についての帰朝報告が予定されていたが、飛行機の都合により残念ながら割愛となった。

日本支部理事式辞

opening ceremony

こんにちは! 本日は、残念ながら肌寒い日となってしまいましたが、 昨年に引き続き、この国立陸上競技場でこんもりした鳥ラガーのみなさん、 また、サポーターのみなさんとお目にかかれたことをたいへん嬉しく思います。 昨年の第一回大会以来、競技としての形も整い、また、競技人口も一気に 拡大する飛躍の段階を迎えております。── 残念ながら今年3月の大震災の 影響で、東北在住の一部選手が苦しい状況にあります。その影響は本大会にも 及んでいないとはいえません。

しかし、「こんもりした鳥愛」を掲げたマルヤマ理事長の精神を堅持し、 この英国の長い伝統のある競技を日本で定着させ、さらにその競技の認知を 日本で広げていくためにも、この日本大会を長く続く続ける役割を 私たちは担っているのです。今日は、皆さん、力強く活き活きとした 試合で、こんもりした鳥ラグビーの魅力と精神をいかんなく発揮してください!

ありがとうございました。

英国本部祝賀

親愛なる こんもりした鳥ラグビー日本支部の皆さま、本日は第二回日本大会の 開催をお喜び申し上げます。私たちの国の一地方で行われていた伝統ある競技が、 こうして遠い極東で愛され、また競技されていることをたいへん嬉しくまた誇りに 思います。東日本大震災の影響がまだいえぬ中、大会に集まられた関係者の努力と 情熱に、我ら英国本部もまた心を一つにして大会の成功を祈念しております。

Basket

対戦チーム紹介

日本エディンバラ (緑×紺)
ハヤシ、ミヤシロ、ヤマムロ、
ツジハナホシノ、ナガハマ
日本ケンブリッジ (赤×紺)
シラタ、サクタ、アオキ、カワウチ(細横縞)
ヤザキ(主審判)
日本ランカスター (茶×紺)
シミズ、スエマツ、サカバ、
ムラマツ(縦太縞)、ヨネヤマ(縦太縞)

本大会からは、三チームが編成され、日本初のリーグが編成される予定だったが、最古参の日本ケンブリッジのメンバーが揃わず、また、日本エディンバラと日本ランカスターのメンバーにも不足があるため、止む無く、日ケのメンバーを、日エと日ラに振り分けてニチームによる競技とすることになった。さらに悪いことに、日ラのユニフォームに不備があり、二人が別ユニフォームを着用し、またカワウチ選手が細横縞ユニフォームを着用しており、これが競技中にチーム判別に混乱をもたらすことになった。

日本支部理事会はこれを問題視し、2012年大会ではユニフォームの徹底した統一を絶対の条件とすることを確認した。

対戦記録

Instruction

こんもりした鳥ラグビーのルールは、基本的にラグビーに倣ったものになっているのだが、かなり独特な要素もある。そこで、昨年審判長を務めたヤザキ主審から、三チームへのルールの確認が行われた。

「穏やかさ」を特徴とするこんもりした鳥ラグビー。「鳥を抱えて走る」という動物愛護の精神の確認がされた。主審がこんもりした鳥の代弁者となり、「いたい」とか「くるしい」気分を判定に反映するのが特徴となる。当然、審判の判定は絶対だ。

Aoki

Shirata

コーナーポストを運ぶアオキ選手と、靴を履き替えるシラタ選手。

Sakuma & Oyama

協会の女性陣も準備。カメラ担当のサクマさんと、点数係のオヤマさん。 オヤマさんは日本準備大会からの参加者。これからも末永くこんもりした 鳥ラグビーに参加してください。
こんもりした鳥をもつシラタ選手とナガハマ選手。 試合前の穏やかな笑顔。(このあとシラタ選手は酷い目に あいますが…)

Shirata & Nagahama

Nippon Lancaster

今年編成された、日本ランカスターの選手との記念写真。 シラタ選手は、日本ランカスターに配属された。まんなかの女性は 日本ランカスターのマネージャー、コーダ・ナナさん。わざわざ 女子高生のコスプレで参加してくれた。

試合開始。

こんもりした鳥ラグビーは、ルール上 鳥を投げたり蹴ったりできないため、やたらとスクラムが多く、別名「スクラム・ゲー」と呼ばれるほどだ。試合はスクラムで始まる。

どうも腰の入っていない、日本ランカスターのフォワード陣に腰を落とすよう指示。縦太縞の長身の二人がバックスという布陣だ。

Scrum

play ここから後は、試合中の写真をスナップ風に並べていくだけとしたい。 ただ、この一枚の写真からもわかるように、ユニフォームがバラバラなので、 試合中には、敵味方の判別が難しく競技に混乱が生じた。

Suematsu & Shimizu

長い手足と快速でリードするムラマツ選手。

Walk in

こんもりした鳥ラグビー独特の「ウォーク・イン」。

Suematsu & Yoneyama 草食系男子ばかりの日本ランカスターだと思われていたが、実は 長身の二人、ムラマツとヨネヤマはサッカー経験者で、それがこれらの 縦縞ユニフォームの理由だということが判明した。ひごろあんまり 頼りなさそうな彼らが、グラウンドでは実に活発な運動神経を披露 してくれたことを頼もしく思った。

Oyama

イギリスの女子学生風の装いできてくれたオヤマさん。 点数ボードを持つ姿もなにか落ち着いた雰囲気を感じさせる。

Nagahama & Yoneyama
Scrum

Aoki & Miyashiro
Scrum
(上) 白田ゼミが第二期に入るきっかけとなった。アオキ君にタックルする ミヤシロ選手。彼がタックルしている相手が、遠い先輩だと彼は知らな かったかもしれない。

(下) ウンザリするほど組まれたスクラム。翌日、肩や首を痛めた選手も 多いであろう。

Shirata & Kawauchi Yakan

(上)ラグビーにつき物のヤカン。今年も出番はないと思われた。 が、ヤカンですら対応困難な事故があるとは。

(左)「今年は、準備万端だから、ヘバったりしないぜ!」と 意気揚揚とするシラタ選手の背後に、このあとガッチーンと 激突することになるカワウチ選手が写っている。

試合の合間の休憩時間。コーダ・ナナさんの準備してくれた、 冷凍プチゼリーや冷たい飲み物が振舞われた。 第一回大会に比較して、休憩所の整備や飲食物の手配も順調となり 運営側の手際も著しく改善された。

(上) 快走するヨネヤマ選手
(下) 快走するカワウチ選手
Yoneyama
Kawauchi

Nagahama & Shirata ナガハマ選手にタックルされるシラタ選手。このころはまだ元気。

年長のシラタ選手は、8月の末から走りこみを中心とした自主トレニーングを開始し、 競技用の靴まで新調して競技に臨んだ。それゆえ昨年のように息がきれたり 吐き気がしたりといったトラブルは無かったが…

第二回大会になって、選手達が口々に言うのは、 「冗談ゲームだと思ってたけど、みんな意外にマジになってる」 「思った以上に、ラグビーとして成立していることに驚く」 といった感想だった。かなりガチンコにラグビーをやっている 自分達におどろく文科系草食男子達だった。 Nagahama

Oyama 試合は全体として、5試合行われた。その対戦結果は次のとおり。

第一試合: 日本エディンバラ(緑) 勝利 (22-18)
第二試合: 日本ランカスター(茶) 勝利 (30-25)
第三試合: 引き分け (28-28)
第四試合(グラフハム杯): 茶勝利 (25-22)
第五試合: 緑勝利 (27-20)

なお、点数が昨年の第一回大会から大きく変わっているのは、点数計算の 方法が第二回大会から変更されたためである。ルールが流動的であるのは、 この競技がまだ発展途上にあることを示している。

ここで到着が遅れていた、技術習得派遣留学生タナカ・ヒデタカ選手が、空港から直接に競技場へ到着した。昨年のスター選手の登場に競技場は沸きかえった。 Hidetaka

Play
Play
タナカ選手の参加で、ますます意気あがるゲーム。だがここで、突進するカワウチ選手と、これを抑えようとしたシラタ選手が衝突するという事故が発生。カワウチ選手の額がシラタ選手の左瞼上に激突し、ガチーンという音とともに、シラタ選手が1mほどはじき飛ばされた。

幸いなことに意識への影響や出血は無かったが、このあと、シラタ選手の左瞼はどんどん腫れ上がり、この後のビール大会の頃までには、四谷怪談のお岩さん状態にまでなってしまった。この後、シラタ選手が全快するまで三週間ほどかかった。

これを受けて理事会では、ヘッドギアの装着義務化を検討することになった。

ジャッジキャップも誇らしい主審は、昨年に引き続きヤザキ氏。今年からようやく導入された本格的なネストに対応してのルール変更に知恵を絞り、審判に意を払った。

思い出したが、「こんもりした鳥ラグビー 公式ルールブック」 の作成にも着手しなければいけなかったんだった。きっとヤザキ氏は、日本のこんもりした鳥ラグビー界の重鎮として長く影響力をもつことになるだろう。

Yazaki

Closing

シラタ選手負傷のあともゲームは続けられ、 総合優勝は、日本エディンバラと決定した。 写真は、優勝を喜び腕を掲げる日本エディンバラの選手達。 彼らは、この日本大会のあと就職戦線に旅立つ。 彼らの何人が、来年再び競技場に戻ってくるかは誰も知らない。しかし、 こんもりした鳥ラガーは、どんな逆境にも負けず、 きっと聖地国立陸上競技場に戻ってくるはずだ。

来年予定されている第三回大会では、 社会で奮闘する日本ケンブリッジもフルメンバーをそろえ、 強豪日本エディンバラも就職戦線を乗り越え、 より強力になった日本ランカスターと、そしてまた 新たに編成されるだろう第四のチームとの闘いが繰り広げられるだろう。

すべてのこんもりした鳥ラガーに栄光あれ!


Fat Bird Football Association Japan, 2011.