Freedom of Information and Privacy

第一章・情報公開・プライバシーの比較法

...第14章の白田秀彰「情報テクノロジーの進展と法的課題」は、以上の緒論稿とはかなり異なる視点から問題を論じている。本論稿は、日本では情報ネットワークにかかわる法制度、その研究がアメリカよりも大幅に遅れているとの認識に立って、アメリカの法的議論を中心に最新の問題を検討することを通して、本書のテーマと関連づけようとしている。この論稿の特徴はここにある。取り上げているテーマは、サイバースペースをめぐる背景、サイバースペースにおける諸事件、情報力の支配、政府の対応、ハッカー取締まり、暗号規制、暗号鍵寄託制度、エクソン法案、サイバースペースと言論の自由などであり、多方面にわたっている。さまざまなところでプライバシーなどが問題となるが、とくに暗号鍵寄託制度との関連などでプライバシーに触れている。ここで論じられていることが、将来、どのようになっていくかに注目する必要がある。

p.24 堀部政男教授執筆部分より抜粋


白田 秀彰 (Shirata Hideaki)
法政大学 社会学部 助教授
(Assistant Professor of Hosei Univ. Faculty of Social Sciences)
法政大学 多摩キャンパス 社会学部棟 917号室 (内線 2450)
e-mail: shirata1992@mercury.ne.jp