Seminar at Yamanashi Gakuin Univ.
NOTE

演習 I

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●授業の要旨

いまやコンピュータの利用能力は社会における基本的 な技能の一つとなりつつある。そうしたコンピュータ利 用の社会への浸透に伴い、これまでになかった種類の社 会問題も生じている。これら新しい種類の社会問題への 法的な検討を、コンピュータに固有な属性に着目してま とめた学問領域として、近年「サイバー・ロー(Cyber Law)」と呼ばれる領域が形成されつつある。この演習で は、サイバー・ローとしてしばしば取り上げられる個人 情報保護、コンピュータ犯罪、知的財産権、名誉毀損、 プライバシー等について討議し、コンピュータ利用時に 直面する法的問題に対して、自ら判断し対処していく能 力を養成することを目的とする。

本演習の内容は、ゼミ生にとって馴染みの薄いテーマ であると思われる。そこで、まず「何が問題となってい るのか」について事例を集めることから始め、次に問題 点の整理と一般化、さらに、それが法的にはどのように 取り扱われているのか、あるいは取り扱われるべきなの かを検討することにしたい。授業形式としては、テーマ 毎にレポーターを決めて、議論の基礎的な素材を提供し てもらうことにする。

●成績評価の方法

レポートの内容を重視する。加えて参加の程度を評価 とする。出席と参加は同義でないことに注意。

●テキスト・参考書

○前期

議論の手がかりとして次の書籍を読んでおくとよい。 いずれも一般書で読みやすい。

Lance Rose 「ネットワークの罠」アスキー 1996年

Gerard Van der Leun & Thomas Mandel 「インターネッ トの戒律」アスキー 1997年

○後期

さしあたり、現在の論点を知るのに次の書籍がよい。

ジュリスト増刊 「変革期のメディア」有斐閣 1997年6月

夏井高人 「ネットワーク社会の文化と法」日本評論社1997年

●受講上の注意事項

既にコンピュータ・ネットワークの利用に慣れており、 電子メールを利用できる環境にあることが望ましい。し かし、そうでない受講者を不利になるようには取り扱わ ない。

●授業計画

前期

    ●事例調査

  • 新聞記事を利用して
    ここ数年でコンピュータやネットワーク に関して問題視された事件は?

  • コンピュータ雑誌を利用して
    コンピュータ雑誌で問題視されている事 件は?

  • ネットワークを利用して
    ネットワーク上で問題視されている事件 は?

  • 法律雑誌を利用して
    法律雑誌ではどのような議論がされてい るのだろうか?

後期

    ●事例分析

  • 事例の類型化
    集められた事例について共通している要素 は何?違っている要素は何?

  • 事例の法的論点の抽出
    事例から発見された問題点を法律の観点か ら見てどのように整理する?

    ●法的検討

  • 法的論点に関する既存の議論の検索
    抽出された問題点について、先生たちはど のような議論をしているのか?

  • 法的論点に関する既存の議論の類型化
    既存の議論はどのように整理できるか?

  • 法的論点に関する既存の議論の批判
    既存の議論には、欠点はないだろうか?

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