(以下、2004/1/1 追加) 2003年の9月の初めに帰省するとき、飛行機の座席に備え付けてある「カタログ・ショッピング」の冊子を暇つぶしに眺めていると、ネクタイをくるくる丸めて格納する革製のケースを発見。冊子に掲載されていたのは黒の革で内側にビロード張り。値段は一万円くらいだったかなぁ。で、「これなら、アッという間に作れる」と確信したので、帰京してから余り革で作ってみました。それが、左の写真。 ネクタイが必要な状態で旅行することは、あまりないのですが、いざ出張というときに、ネクタイをシワシワにならずに持っていけるわけです。ま、革が余ってたから作った、というのが一番大きいですけどね。これで以前に買った4mm厚のサドル・レザーはおしまいになりました。
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今度は大物。夏の薄着の頃なら、ウェストバッグがとても都合がよいのですが、冬のジャケットやコートの時期には、ウェストバッグは納まりがわるい。とはいえ、鞄だと、ロージナ茶会に出かけるときの荷物には収納力がありすぎる。だいたい、A4の印刷物とレポートパッド、手帳、財布、タバコケース、Clieくらいしか持っていかないんで。 そこで、A4サイズのパッド・フォルダに小物を収納する*だけ*のうすーいバッグを構想してみました。これが2003年9月のこと。設計図はこちら。で、革や金具を購入して準備していたのですが、すっごく大変な論文に取り掛かってたこともあり、10月末にこの仕事が終わったら作ろうと楽しみにしていたわけです。
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ところがこの仕事が終わりゃしない。結局、論文は2004年1月1日に一応完成をみたわけですが、待ちきれず(苦笑)、大学の講義が終わった12月も末に、一橋大学の西生協の裏手のベンチで寒ーい思いをしながら制作しました。 なんで自宅でやらないのかといえば、木槌でコツコツ叩く作業が続くのでマンション住まいでは室内での作業がNGだから。作業時間は、だいたい1日と半日で完成。長い間イメージ・トレーニングしていたので思ったよりも完成度高いです。三つ並んだポケットの部分やらペンポケットの部分が難しかったですねぇ。 周りの評判としては、「そろそろ売り物になるレベルに...」という感じで、自分の仕事と無関係な方面への能力の高さと手先の小器用さに関心するばかり。
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さて、2003年の初夏のころ、数年ぶりに万年筆を使うようになった、と書きましたが、それからさりげなく二本増えていたのです。一本は、丸善で購入。ブルーブラックのインクが入ってます。もう一本は、なじみの雑貨店Lordの軽井沢店で購入。ボルドーのインクが入ってます。世の中には万年筆道楽というものがあるらしいのですが、あまりに装飾性の強い万年筆は好きではありません。両方とも大正から昭和初期くらいの実用品の復刻らしいです。 この二本の万年筆のケースがほしいなぁ、と思ったりしていたわけですが、これが買うと下手すりゃ2万円近く掛かったりする。そこで作る。革は、上記のバッグの余り革とか以前に使った革の残りで。
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二本の万年筆に現物合わせで縫いあわせながら裁断。内袋にやわらかい革を使って、外のプロテクタに2mm厚のヌメ革を使う。クリーム色とこげ茶の組み合わせ。もちろんサイズぴったりに完成。作業時間は、仕事しながら構想3日、制作3時間ほど。 これがまた、作った本人が言うのもなんだけど、すっげえカコイイわけです。「イタリアあたりのデザイナー物です」と言っても通るくらい。とはいえ、縫い目がズレてるとか、コバインキがはみ出してるとか、近くで見るとアラがいっぱいあるわけですけど。 |
隣の写真は、ペンケースを開けたところ。フタは差し込んであるだけですけど、スッキリ収まってます。 とりあえず、あとは、机の上の小物を入れるトレイなんかを2、3枚作れば、手持ちの革もおしまい。欲しい物もだいたい作ったので、革細工もひとくぎりという感じでしょうか。あ、あと手帳カバーを作る、ってのが残ってた。 革細工にハマって一年ほどですが、たいていの小物は作れる自信がつきました。で、問題はプロの人の仕事を値踏みするようになってしまったこと。「この革でこの縫製ならだいたい **** 円くらいが妥当だよな」とか、「この値段なら自分で作った方が安い」とかね。イヤな素人ですねぇ(笑)。
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